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* 学情研メールマガジン
============================= 2004/06/11
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(財) 学習ソフトウエア情報研究センター
*                  http://www.gakujoken.or.jp
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事務局から:
 文部科学省生涯学習政策局所管で主に学習ソフトウェア収集・提供を行う
「学情研」と関係の深い方々に学情研メールマガジンを送らせて戴きました。
 配信登録やバックナンバーは下記URLからお願いいたします。

         (http://www.gakujoken.or.jp/news/merumaga.html
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ださい。今後とも、ご指導・ご鞭撻の程よろしくお願いいたします。

         (連絡先)Eメール: gjk@gakujoken.or.jp
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□ 目次                     (以下敬語敬称 略)

[ニュース コーナー]New!!
習熟度別の完全習得学習に効果 国立教育政策研究所が比較調査
● 長崎同級生殺害事件で 文科省
● 地域運営学校関連法成立、附帯決議も

[メッセージ]
「チャット」のヴァーチャル・リアリティ

[特別寄稿]
●「世界の旅バーチャル・グランドツアー(69)ジョグ・ジャカルタ」
●「中南米の花 ベゴニア」

[お知らせ]
● 学情研主催「情報教育セミナー2004」のご案内

[学情研の動き]
● 教育コンテンツ(デジタルアーカイブ)@学情研の新情報('04/06/11)
●「学習情報研究」7月号の目次('04/07/10)


  [要約紹介(第1回目)]

  -『メディアリテラシーのカリキュラム』
  -『小学校におけるカリキュラムと評価1』
  -『小学校におけるカリキュラムと評価2』
●「学情研ネットワーク研究会員」の特典のお知らせ


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[ニュースコーナー]New!!

日本教育新聞社の協力により、最近2週間の教育界の重要な動き3点を

紹介します。なおコメントは下記Eメールアドレスにお願いいた します。

● 習熟度別の完全習得学習に効果 国立教育政策研究所が比較調査
 国立教育政策研究所は4日、40人から20人の学級規模や習熟度別少人数など7つの授業
形態の教育効果を比較した調査研究をまとめた。その結果、学級・学年合同集団で習熟度別
学習(完全習得学習)を実施するタイプが最も教育効果が得られることが分かった。

● 長崎同級生殺害事件で 文科省
 文部科学省では児童・生徒の情報活用能力の育成を目指し、小学校段階でも各教科や「総
合的な学習」でコンピュータやインターネットの積極的な活用を図ってきた。それに伴い、情報
モラルについても適切な指導を行うように求めている。なお、5月28日には、情報モラル指導
の総合サイトとなる「情報モラル授業サポートセンター」(http://sweb.nctd.go.jp/support/index.
html)を開設。

● 地域運営学校関連法成立、附帯決議も
 地域運営学校を創設する改正地教行法(地方教育行政の組織及び運営に関する法律)が
2日の参院本会議で可決、成立した。共産党議員が反対、他の与野党議員は賛成した。


 URL=
http://www.kyoiku-press.co.jp (毎週金曜日に更新)
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(連絡先)Eメール:henshu@kyoiku-press.co.jp

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[メッセージ]


「チャット」のヴァーチャル・リアリティ
  (十文字学園女子大学 社会情報学部  井口 磯夫)

第70号のメルマガに「本当ですか?転落誘う情報機器」というテーマで書いたところ,掲
示板で永嶋賢一先生から的確なご指摘をいただき,再度考えさせられました。小西先生
の記事を浅読みしかできない自分を反省しました。また,個人宛にもメールで多数のご
意見をいただきました。ありがとうございました。

 またもや,児童による長崎県佐世保市の同級生殺害事件は全国を震撼させた。マスコ
ミも教育委員会も,ICTの問題を深く捉え,対応に苦慮している様子であった。事件のき
っかけは,「ホームページに自分の悪口を書かれたことで殺す決心をした」という,マスメ
ディアの取り上げ方が気になった。

●チャット
 1976年アメリカのMITのヨセフ・ワイゼンバウムのイライザ(ELIZA)の実験は,非常
に象徴的な実験だと思う。コンピュータプログラム・イライザは,非指示的方法の精神療
法医の役割を果たしていた。クライアントである学生はキーボードから自分の悩みを入力
すると,イライザは単に相槌を打つか,相手の言葉を繰り返すだけのプログラムであった。
カウンセラーの基本は,相手の言いたいことに耳を傾けて相手の諸感情を理解することに
よって相手を援助することである。この単純なプロセスをイライザにやらせて,男子学生
がイライザを本当の人間のように感じてしまったという報告もある。
 非対面性のチャットは,このイライザの役割を持っている面がある。不特定多数と行う
チャットでは状況が違うだろうが,二人だけのチャットでは一方がイライザの役割を担っ
ているときは長続きするようである。しかし,悪意を持った大人は匿名性を利用して出会
い系のチャットでは,この心理療法を利用しているのである。
 1998年1月号のComputer Todayに掲載されたCMC研究ノートでは,「同期コミュニ
ケーションから見たCMC」という記事で,NTTソフトウェア研究所の溝渕佐和氏が「コ
ミュニケーションの匿名性と自己の構築・脱構築」ということに考察されている。コンピ
ュータ内に仮想的に作られた場所を共有し,テキストを入力することによって多様なコミ
ュニケーションを行うシステムを,MUD(Multiple User Dimension)という。このMUDに
おける匿名性や仮面は,いったん本来の自分から離れることを可能にするが,最終的
には以前より発展した自分に立ち戻り,バランスの取れたアイデンティティの状態を作り
出すことにつながる(山下清美)と考えられている。つまり,仮想現実の中で演じている
自分も自分の一部であると,メタ認知することができるのである。

●自分さがし
 今回の長崎の悲しい事件の真相はこれから探究されるだろうが,近年の日本においても
犯罪の低年齢化が懸念されている。青木信人氏は「子どもたちと犯罪」(岩波書店,2000)
の中で,「あるがままの自己を表現してそれを身近な他者から無条件で肯定されるという
体験の「累積」は,自尊感情の形成と他者への基本的な信頼感を築いていく上で,欠くこと
のできない条件といえる」と述べている。青木氏は子どもたちによる暴力事件を三つの系
に分類している。第一の系は,些細なことをきっかけに突発的に残虐な殺傷事件を引き起
こす事態。第二の系は,無関係な弱者を集団で一方的に攻撃する事態。第三の系は,弱
者を一方的に攻撃し続ける「いじめ」という事態。これら三つの系に共通するのは,他者の
「いのち」に対する感受性の欠落こそが,現代の子どもたちの内面に潜む深刻な問題の一
つではないか,と指摘されている。
 私も青木氏の指摘にまったく同感するものである。ICTが問題ではなく,チャットとか
ホームページを利用することが問題ではないと感じている。青木氏は,さらにヴァーチャ
ル・リアリティと子どもの「現実」についても言及されているが,仮想現実の中で自分探し
をしている子どもを理解できない大人が多いということであろう。「現実を生き生きと生き
る上で仮想現実体験は,必ずしもマイナスに作用するとは限らない。とりわけ,子どもに
とって,ヴァーチャル・リアリティ体験は,大人よりもはるかに重要な要素となる場合が多
い。」(青木氏)
 今回の事件をきっかけに,ICTを教育で活用することは現実世界の体験を少なくし,虚
構と現実の区別をできなくさせる元凶であるような論調が新聞に見られる。行き過ぎは
厳に慎むべきであるが,一方的に悪者にする議論には首を傾げたくなる。

●体験重視の教育?
 チャットの世界は確かに一種のヴァーチャル・リアリティである。その中で自己を開放
し,あるがままの自分になり,現実の世界に戻ってきてもしっかり自分を見つめることが
できるアイデンティティを確立させること,そのためにも学校のICTを活用すべきである。
 私たちは今までどのくらい体験から学んだといえるだろうか。学校教育における学習を
考えてみれば,ほとんど体験から学んでいることは僅かであると気がつく。自分の胃の消
化能力を過信して(あるいは知らないで)何でも食べて体を壊す喩えのように,自分のレ
ディネスを知らないで体験重視の学習をさせても学びは期待できない。知識を学び,応用
し,発展させることの繰り返しの中で学びが確立されていくのである。
 あらゆることをICTに期待しすぎることも危ないし,将来の高度情報通信ネットワーク
社会に子どもたちは必然的に入っていくことを考えれば,ICTの光と影を学校教育で学ば
せることが必要不可欠である。


[特別寄稿]

●「世界の旅バーチャル・グランドツアー(69) 「ジョグ・ジャカルタ

(連載) [対象: 校種:全般、学年:全学年・生涯学習、教科:共通]

 今回は、インドネシア国の旧都「ジョグ・ジャカルタ」 の動画像です:

 ジョグ・ジャカルタは、ジャワ文化の中心地として栄え、ジャワ島でもっとも有名
な都市です。市内交通はべチャ(輪タク)やバスで、ジョグジャカルタのあるジャワ
島はイスラム教徒の人が9割近くを占めています。

 郊外には、世界最大最古の仏教遺跡「ボロブドゥール」、ヒンドゥー教寺院「プラ・
バナン」や、ジャワ原人(ピテカントロプス・エレクトゥス)の化石発掘の地サンギ
ラン等があります。

 ジョグ・ジャカルタは、ろうけつ染め「ジャワ更紗(バティック)」の主要生産地で、
銀製品、影絵芝居、ガムラン音楽などの伝統芸能がしっかり根ずいています。
     
≪動画・静止 画「ジョグ・ジャカルタ」のホームページ≫


[次回はプラ・バナンです]        ≪写真をダブルクリックして下さい≫


 中南米の花  ベゴニア」
   [対象: 校種:全般、学年:全学年・生涯学習、教科:共通]

 学情研ネットワーク研究会員の松さんから、中南米の花「ベゴニア」の映像が
送られてきました。


 ベゴニア(シュウカイドウ科ベゴニ ア属)の種類は多く、花が美しい花ベゴニア
や観葉植物のベゴニアなどがあります。
 原種は中南米産で、大輪で色鮮やかな園芸種に比べると、シュウカイドウに似た
ひっそりとした花を咲かせています。天城高原のベゴニアガーデンでは、一番美し
い花が「今週の女王」に選ばれて飾られています。

≪動画・静止画「中南米の花 ベゴニア」のホームページ≫


≪写真をダブルクリックして下さい≫


(特別寄稿の原寸大映像は、膨大な容量になりますので、ご希望の方に実費
でCD-ROM/DVD版「地域学習の為のデジタルアーカイブ」を提供いたします)
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[お知らせ]
● 学情研主催「情報教育セミナー2004」のご案内
 日 時: 平成16年8月4日(水) 9:30〜15:00(受付9:00)
 会 場: 市ヶ谷アルカディア・富士の間
 テーマ: 『21世紀のリテラシーを考える』
    問合せ: セミナーHP   http://www.gakujoken.or.jp/seminar.html


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学情研の動き

● 教育コンテンツ(デジタルアーカイブ)@学情研の新情報('04/06/11)
 学情研ネットワーク研究会員のページ「鹿児島地 区版」に「くらしのうつり
かわり(昔の道具しらべ)、農家のしごと、あたたかい地方のくらし」
の地域
素材を追加しました。
 http://www.gakujoken.or.jp/Gate-EX/gatex.cgi

●「学習情報研究」7月号の目次
('04/07/10)
「学習情報研究」7月号が発刊されます。内容は、「情報教育とその評価」を
特集しています:

【目次】(敬語敬称略)
 (1)情報教育のカリキュラムと評価を どうするか 黒上 晴夫(関西大学)
 (2)小学校におけるカリキュラムと評価1 前田 康裕(熊本大附属小学校)
 (3)小学校におけるカリキュラムと評価2 岩田 諦慧(輪之内町立大藪小学校)
 (4)中学校におけるカリキュラムと評価1 人見 和宏(滋賀大附属中学校) 
 (5)中学校におけるカリキュラムと評価2 田中 龍三(大阪教育大附属池田中学校)
 (6)高校「情報」のカリキュラムと評価1 中津井浩子(甲南高校・中学校図書館)
 (7)高校「情報」のカリキュラムと評価2 江守 恒明(富山県立大門高校)
 (8)表現を重視した情報のカリキュラム  半田 亨(早稲田大学高等学院)
 (9)中高一貫校における情報教育カリキュラム1 小笹 雄二(神奈川県立大師高校)
 (10)中学校における情報活用教育カリキュラム  文田 明良(立命館中学校・高校)
 (11)メディアリテラシーのカリキュラムと実践事例 中村 純子(川崎市立麻生中学校)

 [要約紹介(第1回目)]
-『メディアリテラシーのカリキュラム』 -中村純子

メディア・リテラシー教育はクリティカルシンキン グ(情報の判断力)を主軸
に高度情報化社会に生きる力を育むことを目標としている。メディア・リテラ
シーの指導内容は複数の教科にまたがるものではあるが、まず言語教育を主軸
にカリキュラムを作っていくべきである。
メディア・リテラシー、クリティカルシンキング>


-『小学校におけるカリキュラムと評価1』 -前田康裕

熊本大学教育学部附属小学校では,子どもたちの情報活用の実践力を高めるた
めに、総合的な学習の時間に「情報」という時間を設けている。この時間に、
コンピュータスキルの指導を14時間かけて集中して行う。そのために,目的
をもって情報を活用し役立てるという「ミニ・プロジェクト単元」を開発し、
学年を貫いた系統的な指導が行えるようにしている。高学年では、ルーブリッ
クと自己評価カードを使った「学びの振り返り」のシステムを開発中である。
情報教育、プレゼンテーション、プロジェクト学習、ルーブ リック、自己
評価、学習意欲>


-『小学校におけるカリキュラムと評価2』 -岩田諦慧

輪之内町においては,平成2年度から小中一貫したコンピュータリテラシー段
階表を作成し、数回の改訂を経て現在の情報活用能力段階表に至った。
情報活用能力段階表は、発達段階の達成目標として位置づけられ、その評価は
学校独自に行われている。情報教育のカリキュラムは,総合的な学習の時間等
を中心に展開され、観察による評価、作品による評価,自由記述による評価等
の方法で行われている。<情報活用能力、小中一貫、情報教育、情報リテラシー>



なお、「学習情報研究」の定期購読者は、次の
「学情研ネットワーク研究会員」
の特典が受けられます。

         

●「学情研ネットワーク研究会員」の特典のお知らせ
会員は、会員IDとパ スワードを使い「教育コンテンツ(デジタルアーカイブ)
@学情研」の原寸大映像が見られる特典があります。

 ≪特典サンプル≫

【静止画の例:ユングフラウヨッホ】【動画の例:ニュージランドの羊の毛刈 り】
 
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 なお、学情研では「学情研ネットワーク研究会員」を募集しています。

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