『愛知万博記念UNESCO国際ワークショップ』
文化の多様性を支える新技術
―――デジタル技術と文化財―――
知識社会の登場を迎える発展途上国に焦点をあてた
文化遺産デジタル・アーカイブ化を通じた新しい発展モデル
愛知万博からのメッセージ
期日 2005年9月5(月)―6(火)日
会場 東京上野 国立西洋美術館講堂
主催 ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)
愛知万博記念UNESCO国際ワークショップ実行委員会
GIF財団
後援 国立西洋美術館
(順不同) (財)デジタルコンテンツ協会
愛知県
(社)日本ユネスコ協会連盟
(財)学習ソフトウエア情報研究センター
日本教育情報学会
協賛・協力 NPO法人 ユネスコ文化の多様性を支える技術ネットワーク
(順不同) (株)丹青社
コンテンツ(株)
日本電気(株)
(株)東芝
NPO法人 地域資料情報化コンソーシアム
凸版印刷(株)
(株)テクノギャラリー・インターナショナル
(株)プラネットワークス(株)
開催趣旨
人類は数世紀にわたって、様々なフォーマット、 様々な技術、様々な手法を用いてコンテンツを生産し、その量は不断に増大してきました。そうしたコンテンツのあるものは生き残り、我々の遺産として後世に伝えられますが、コンテンツの大部分はたとえ生き残ったとしても、自然の劣化にさらされやがては消滅していきます。
フォーマット、 技術、 手法は《文化》によって、また《時代》によって著しく異なります。世界のいくつかの地域ではコンテンツを保存し、伝達するための重要なツールとして口承伝統が今も生きています。芸術と祭祀は多くの異なる文化のバックボーンとなっています。記号、象徴、表意文字、アルファベットは世界のほとんどの地域で書くことや印刷のツールとなっています。
印刷はコンテント・マネジメントにおける革命の一つであり、まさに画期的な事件でした。
今日我々はいわゆる《デジタル時代》を迎えて、新しい革命の可能性に直面しています。デジタル・コミュニケーションは非言語コミュニケーションやジェスチュアから始まり、言語、 記号、書写、印刷、 放送その他の現代のメディアやフォーマットに到る長い連鎖のもっとも新しいリングなのです。
《無形文化遺産》を含む文化遺産のコンセプトの拡大と、それらの保存と継承との相対的関係とは、さまざまなオンライン資源の併合的使用や、 超国家的ないしマルチリンガルな辞書やシソーラスの編纂、新世代コミュニケーション《オブジェクト》の創造と調整、異なった文化モデルやコンテンツにより良く適合するツールの開発等の新しい挑戦をもたらしています。また技術が短時日の内に時代遅れになってしまうため、データ保存の問題についても深刻な問題提起がなされています。
このような環境にあってユネスコは自然遺産、有形・無形文化遺産の保存、普及等のために様々な活動を行ってきましたが、中でも世界的標準設定のための努力は下記の国際条約として結実しています。
世界の文化・自然遺産保護に関する条約 (1972)
口承無形文化遺産保護条約 (2003)
2003年ユネスコ総会で採択された口承無形文化遺産保護条約は30カ国の批准を経て国際条約として発効します。現在49の無形文化遺産が、「人類の口承及び無形遺産の傑作」であるとユネスコによって宣言されており、それらの無形文化遺産のいくつかはすでに「高精細デジタル映像」によるアーカイブ化がなされています。
遺産のアーカイビングの分野では科学技術の発展により、高精細デジタル映像、1ビット高速録音、三次元立体映像等々のさまざまな新技術が実用化されています。
現在愛知県で開催中の愛・地球博の特色の一つはそうした技術の展示にありますが、ヨーロッパにおいてさえ、最先端デジタル技術がひろく知られているとはいえません。しかもそのヨーロッパでは地方レベルで固有の文化を記録し、保存すると同時に、文化の多様性を維持するためにそれらアーカイブズを教育等に利用していこうという内発的な要望が高まっており、そのためのコンテンツ・マネジメントの手段として注目されているのがこのデジタル技術です。この傾向はヨーロッパだけでなく、南アフリカ、日本の沖縄などでも優れた内発的努力が積み重ねられ、ノルウェーの一地方都市と沖縄というように大陸を越えた地域レベルの協力も生まれつつあります。
今回のワークショップならびに万博訪問が地域レベルでのこの面での交流をさらに促進することが期待されます。
ワークショップ開催の背景
以下に述べる個別の、あるいは相互に関連した活動が本ワークショップの背景にあります。
いわゆる世界遺産条約(1972)・無形文化遺産保護条約(2003)・人類の口承無形遺産傑作宣言(2001,2003)・多数の個別目的信託基金プロジェクト
特に無形文化遺産保護促進は1999年以来ユネスコの優先プログラムとなっている。
高精細デジタル画像、1ビット高速録音、三次元映像・・・
日本はデジタル技術の最先進国の一つ
2005年愛知万博の特徴の一つはデジタル技術を幅広く応用した展示
フィン=ウゴル語族文化に属する森林フィンランド人文化(ノルウエー、遠隔田園地域)・クリスチャンサンド(ノルウエー、海浜都市地域)・沖縄(日本、遠隔海浜地域)・スエーデン(森林フィンランド人文化に関するノルウエーとの間協力)・デンマーク・南アフリカ・・・
万博を一回だけの祭典に終わらせるべきではない。
万博は、最先端技術を利用して21世紀のユネスコの使命を最善に達成するための、国際協力の枠組み構築の端緒となるべきである。
ワークショップのターゲット
プログラム
基調講演 「情報社会から知識社会へ」
パネル討論
テーマI 文化遺産デジタル・アーカイブズ化による地域の持続的発展モデル
テーマII EUのMEDICIフレームワークとBRICKSプログラムについて
テーマIII 知的所有権と文化遺産
テーマIV 無形文化遺産デジタル化の諸問題
専門家会議 タスクフォース・メンバーによるプロジェクト評価(非公開)
デモンストレーション
NHK 無形文化遺産
TBS 世界遺産
トッパン バーチャル・ミュージアム
参加者
関連分野の専門家 海外より約10名 国内約30名 合計約40名