2018年学習情報研究誌目次一覧

  
01月号・・・教科学習におけるデジタル教科書/タブレット端末
(隔月発刊)



2018年1月号
◆新年のご挨拶 新学習指導要領にICTの一層の活用を
◆学習情報研究会の必要性について
辻村 哲夫
澤井 進
教科学習におけるデジタル教科書   コーディネータ:中川一史(放送大学)
総説「デジタル教科書の可能性と課題」 放送大学 中川一史
<抄 録>〉
現在、デジタル教科書は、主に電子黒板を含む大型提示装置で教師の提示用に使う指導者用デジタル教科書と、主にタブレット端末環境で児童生徒が学習用に使う学習者用デジタル教科書が存在している。しかし、タブレット端末環境が今後さらに整備が進んでいくこと、一人1冊手元に置いて使う「教科書」の特性を鑑みると、学習者用デジタル教科書の議論が中心になっていくことと思われる。2016年に公開された「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議最終まとめや、今後出てくるであろうガイドラインにそって、デジタル教科書のあり方や基本線の議論が進められると思われる。一方で、デジタル教科書の可能性は何なのか、課題は何なのかをこのタイミングできちんと整理しておく必要がある。それは、制度や指針の問題だけではなく、実際に活用・開発・研究する立場からの知見が蓄積しつつあるからである。本特集では、それぞれの立場で現状のデジタル教科書と向き合い、ある意味格闘し、今後のあるべき姿を見据えている方々に執筆いただいた。そしてその前に、筆者なりに、可能性と課題をまとめていきたい。本特集テーマは毎年本誌でも取り上げられているが、その状況や指摘、実践の実際の推移も比較されると興味深いかもしれない。
<キーワード>
デジタル教科書・教材、活用、可能性、課題
再考:タブレット端末とデジタル教科書 東京学芸大学 加藤直樹
<抄 録>
児童生徒一人に一台が目指されていたタブレット端末とその上で動作する中心的なソフトウェアであるデジタル教科書。本稿では,それらの導入に向けての現状,筆者が進めてきた実践,そして学校での学びの中でこれらを用いるべきかについての筆者の考えを述べる。
<キーワード>
タブレット端末,デジタル教科書,デジタル教材,知覚,思考,外化,一人一台.
「デジタル教科書の位置付け」後の制度面の動向 信州大学 東原義訓
<抄 録>
文部科学省により2016年12月に公表された「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の最終まとめを受け,文化審議会著作権分科会,教科用図書検定調査審議会では,デジタル教科書の導入に向けた検討が行われた。その結果,デジタル教科書についても対象となるよう著作権法の見直しを行うこと,デジタル教科書が検定を経ることを要しない方向性など,デジタル教科書実現に向けた制度面の準備が着々と進められている。
<キーワード>
デジタル教科書,著作権の権利制限,教科用図書検定基準
海外のデジタル教科書の動向 広島大学 二宮 皓
<抄 録>
IARTEM(国際教科書・教育メディア学会)(2017年9月)での経験に基づいてデンマークの事情を報告し、さらに多くの人が関心をもつシンガポールや韓国(デジタル化先進国でPISA学力が高い国)等についてに教科書研究センターの科研報告書を参考に、海外の動向について素人なりに報告し、若干の疑問点を述べている。
<キーワード>
デジタル教科書、IARTEM,デンマークの教育のデジタル化政策
指導者用デジタル教科書 金沢星稜大学 佐藤幸江
<抄 録>
普通教室で教師が中心的使用者となり,一斉指導型授業スタイルをベースに開発された指導者用デジタル教科書は,普及ベースに入りつつある。本稿では,一番時数の多い教科である国語における日常的な活用を紹介する。
<キーワード>
指導者用デジタル教科書 国語科 日常的な活用
国語科学習者用デジタル教科書を活用した授業改善の可能性 武蔵大学 中橋 雄
<抄 録>
学習者用デジタル教科書は、教育の質を高めることを目的として開発されているが、単に導入するだけで、その真価が発揮されるとは考えにくい。どのように学習者用デジタル教科書を活用すればよいのか、活用方法を検討する必要がある。本稿では、先導的な実践事例を分析することから、国語科学習者用デジタル教科書を活用した授業改善の可能性について検討する。
<キーワード>
国語科学習者用デジタル教科書、試行錯誤、思考の可視化、協働学習、指導方略
よりよいインタビューを目指して 関西学院初等部 野村真一
<抄 録>
「よりよいインタビュー活動」を目指し、「聞き手」や「話し手」が念頭におくべき言語技術を自ら発見する授業に取り組んだ。学習者用デジタル教科書のコンテンツ動画を適切に活用することで、有意義な気づきが相次ぎ、インタビュー活動の活性化につながった。
<キーワード>
話すこと・聞くこと インタビュー活動 学習者用デジタル教科書 コンテンツ動画の活用 
学習者用デジタル国語教科書の可能性 お茶の水女子大学附属中学校 渡邉光輝
<抄 録>
国語教科書がデジタル国語教科書へと進化したとき、学習はどのように変わっていくだろうか。学習者用デジタル教科書の可能性を考察するために、中学校で実践した授業を取り上げ、検討した。デジタル国語教科書は「編集可能なマルチメディアテキストであること」によって最もそのメリットが発揮されると結論づけた。.
<キーワード>
国語教科書 学習者用デジタル教科書 マルチメディアテキスト 情報活用能力
学校現場から見えるデジタル教科書の可能性 光村図書出版株式会社 鷹野昌秋
<抄 録>
学習者用のデジタル教科書を使った児童はどのようなよさを実感するのか。また,どのような学習上の効果が期待できるのか。本稿では,筆者らの行っている実証研究をとおして得られた児童や教師の声から,その可能性を報告する。
<キーワード>
学習者用デジタル教科書,国語,総ルビ機能,マーカー機能,思考の可視化,自覚化,共有化,対話的な学び
算数・数学科におけるデジタル教科書 埼玉大学教育学部 二宮裕之
<抄 録>
算数・数学教育におけるテクノロジー活用に関する研究成果を踏まえ,算数・数学科におけるデジタル教科書の在り方には,一方でこのような「デジタル」の要素を考慮しつつ,他方で従来からの算数・数学教育で重視してきた「アナログ」の要素を考える必要がある.
<キーワード>
算数,数学,動的幾何ソフト,関数グラフツール,数式処理ソフト,ハンズオン,ノート指導.
算数・数学科における学習者用デジタル教材活用 東北学院大学 稲垣 忠
<抄 録>
算数・数学科を学習する際、児童・生徒がデジタル教科書、デジタル教材を使う意義は何だろうか。「アニメーション」「シミュレーション」「ドリル」「自動化」「系統性」の5つの特徴に整理した。これらの授業および学習活動としての利用場面を整理した後、教科書会社各社の取り組みをレビューし、今後の方向性を考察した。
<キーワード>
算数・数学科、デジタル教科書、デジタル教材
小学校算数科における学習者用デジタルコンテンツの活用 東京都北区立赤羽台西小学校 長嶋俊作
<抄 録>
筆者が勤務する東京都北区の区立小中学校においては,パソコン室の設備更新に合わせて,校内無線LAN環境の拡充,ノートパソコンからタブレット端末への切り替え,パソコン室の廃止と普通教室でのICT教育の充実化を行っている.また,小学校においては,国語科と算数科の教員用デジタル教科書が配備され,広く活用されるようになってきている.
筆者が所属する北区小学校教育研究会・ICT教育研究部においては,そのような状況に合わせ,教師用デジタル教科書の活用,情報モラル教育,プログラミング教育などを中心に研究を行っているが,本稿では学習者用デジタルコンテンツの開発に関わった経験とその活用実践について取り上げる.
<キーワード>
小学校,算数科,学習者用デジタル教科書,情報教育,タブレット端末.
デジタルには無限の可能性がある 荒川区立第三中学校 西川慶介
<抄 録>
学校教育のなかではデジタル教材が普及し始め,授業の改善が進められている。それにともない年間指導計画や板書のスタイルの見直しも求められる。今後はさらにデジタル機器の操作や視覚的に思考を進めることが多くなる。それまでにデジタル教材をどのように活用すれば,効果が生まれるかを考えなければならない。また,同時に必要となるのが,教員の情報スキルや情報リテラシーである。本校での実践を基に今後の可能性について考えたい。
<キーワード>
デジタル教科書,デジタル教材,情報スキル,
情報リテラシー,タブレット型PC,ICTによる授業・評価の改善
開発者の立場から見るデジタル化のメリット 東京書籍株式会社 清遠和弘
<抄 録>
デジタル教科書についての議論をするとき,現在は「どのように使えば効果的か」という,使用者の立場から論じられることが多い。本稿では,開発者の立場からデジタルならではの表現方法を用いて教科書の可能性をどのように広げられるかについて考察を試みた。
<キーワード>
デジタル教科書,算数
タブレット端末  コーディネータ:秋元大輔(さわやかちば県民プラザ)
「タブレット端末ならでは」の授業での活用 さわやかちば県民プラザ 秋元大輔
<抄 録>
タブレット端末の導入が進んでいる。地域によって導入規模(台数)、導入目的(教師用、児童生徒用、両用等)、導入方法(自治体で導入、家庭で購入、寄贈等)は様々だが、授業での活用が進んでいる。様々な校種で様々な形で活用される「タブレット端末ならではの授業での活用例」を紹介し、タブレット端末の授業での効果的な活用について考える。 
<キーワード>
タブレット端末,ICT機器活用、授業でのICT活用
タブレット端末を活用した学習 船橋市立塚田小学校 金子直也
<抄 録>
本実践は、4・5人のグループに1台のタブレット端末を活用し、地域の幼稚園や駅、飲食店で働く人々にインタビューを行い、それをもとに地域を紹介するCMを作った。作成したCMを地元のケーブルテレビで流してもらうことを学習のゴールとした。
<キーワード>
タブレット端末 総合的な学習の時間 CM作り 地域の方にインタビュー
習得した技能を活用した日常の実践を促す家庭科学習  仙台市立錦ケ丘小学校 石井里枝
<抄 録>
家庭科の学習を知識や技能を習得するだけでなく,日常生活での実践につなげるため,単元を情報活用型プロジェクト学習として構成した。プロジェクトに取り組む必要感を高めるため,NHK for School『カテイカ』を視聴し,タブレット端末を活用して個々の課題意識に寄り添った情報収集や編集・発信ができるようにした。このことで,習得した技能の活用を促し,目的に応じた工夫や実践につなげることができた。
<キーワード>
情報活用型プロジェクト学習 タブレット端末
中学校理科におけるタブレットを活用した授業づくり 松阪市教育委員会 楠本 誠
<抄 録>
筆者は昨年度まで中学校理科で,生徒1人1台のタブレットを活用した授業実践を行ってきた。これまでの反省も踏まえ,授業のねらいに迫るために,タブレットの活用をどのような視点で捉え,授業をデザインしたかをまとめた。授業実践の一例と共に紹介する。 
<キーワード>
タブレット,ICT機器活用,中学校理科
「対話的な学び」を生むタブレット活用 船橋市総合教育センター  大澤幸展
<抄 録>
本市では,ICT機器活用推進教員(ICTAT)育成事業を実施している。10人の教員が,貸与された10台ずつのタブレット端末を活用して実践研究を行っている。その中から生まれてきた10台のタブレット端末ならではの活用法について「対話的な学び」という視点で検討した。
<キーワード>
対話的な学び,Active,Adaptive,タブレット端末
高等学校におけるモバイル性を生かしたタブレット端末活用 千葉県立袖ヶ浦高等学校 永野 直
<抄 録>
千葉県立袖ヶ浦高等学校情報コミュニケーション科では,2011年より生徒が私物としてのiPadを持ち込み,学校教育活動全体において,様々な用途で活用している。これまで7年間の取り組みから,特にモバイル性を活かした実践事例について紹介する。
<キーワード>
タブレット端末,BYOD,私物端末活用,教科指導におけるICT活用,モバイル端末
シリーズ:子どもが集う学校図書館
『個人課題研究』における情報ツールの利用と実際 私立茗溪学園中学校高等学校 三島侑子
<抄 録>
本校教育のかなめである『個人課題研究』における情報探索期において,各種情報ツールがどのように利用されているのか,その実際について報告する。
<キーワード>
学校図書館,探究学習,情報収集,オンラインデータベース,ラーニングスキル.
シリーズ:ICT CONNECT 21
小学校6年間系統的プログラミング教育 つくば市総合教育研究所 毛利 靖
つくば市桜並木学園 中村めぐみ
<抄 録>
つくば市では,小中学校9年間において,ICTを活用し21世紀型スキルを育む学習に取り組んでいる。21世紀型スキルとしてCooperation 協働力,Communication 言語活用力,Critical thinking 思考・判断力,Computational thinking プログラミング的思考,Comprehension 知識・理解力,Creativity 創造力,Citizenship 社会力・市民性を掲げ,その頭文字をとり7C学習として,未来を担う子供たちのために授業改善に取り組んでいる。今回は,その中でComputational thinking プログラミング的思考を取り上げ,プログラミング教育について紹介する。
<キーワード>
プログラミング教育,6年間系統的,プログラミング的思考,プログラミン,スクラッチ,マイクロビット,マインクラフト
シリーズ:プログラミング教育実証事業の成果報告
総務省プログラミング教育実践事業報告 奈良女子大学附属中等教育学校孝 二田貴広
<抄 録>
大都市圏に集中するプログラミング教育の機会。しかし、日本の国土の大部分を占める中山間地や離島などではプログラミング教育の機会が得られにくい。そこでTHE NARAJO PLANでは、ICTを活用して大都市圏とそれ以外の地域に生じるプログラミング教育の〈格差〉の解消を図った。
<キーワード>
総務省クラウド、ICT活用、メンター、エビデンス
学習情報研究論文誌
投稿手続き及び投稿要領
「日英バイリンガル百人一首かるた」と「デジタル百人一首ソフト」のコラボレーション
坂井岳志/坂本勝/岸上英幹/柏木功
情報コラム -情報の新しい捉え方-
情報の特性 芦葉 浪久