北欧のような新しい電子教科書が欲しい
 
                           
  721日真夏のオスロは花が咲き乱れていた。
 フィヨールドを渡る心地よい風が、屋根の萌黄色の若草をかすかにゆらしていた。「土で造った屋根は北欧特有の文化遺産ですよ」と突然ミハエス氏がささやいた。ここは、電子教科書「ebok」の故郷「オスロ・リサーチパーク」(オスロ研究公園)を一望する山の中腹である。


図1 真夏のオスロの山麓

 
 電子教科書「ebok」(読み:エボック)は、紙製の7冊の教科書、英語ノルウェイー語の1冊の辞書と1枚の辞書CD-ROMからなる。「こんな風に、IDとパスワードをいれると教科書の内容がWeb上で見れます」と、現職の中学校の先生が、パソコン画面と、理科の教科書の1頁とを指差して説明してくれた。
 「え?教科書の内容を勝手にパソコンに入れてもいいんですか?」と私がつぶやくと、ミハエス氏は「我々が1から新しい教科書を作ったので、著作権問題はないですよ」と答えてくれた。
 「電子教科書ebokは、紙の教科書では不可能な演習問題も、プログラム内蔵本なので、こ
のように分子運動の映像を見ながら演習し解説することができます。」(URL: www.ebok.no


図2 理科(自然科学)の教科書

 
 そして、研究室の奥から約30cm×40cm小型の書類棚のような箱を持ってきた。
 箱には電子教科書ebok8冊とCD-ROMが、収められオスロ市内の書店では実際に売られているという。十分ビジネスになるという。


図3 電子教科書ebok8冊とCD-ROM

 
  
 
 現在、電子教科書ebok500人の先生が学校の授業で使っているとのこと。
 5時間にも及ぶ説明とデモを受けて帰るころには、マルチメディア研究センターの総2重ガラス張りのオフィスに、午後8時だというのに、白夜の国の太陽が明るく降り注いでいた。
 オスロからの帰路、電子教科書ebokは、「デジタル文化遺伝子」(次世代に文化を伝える遺伝子)と言えるのではないか?素材・教材等の貴重な情報に自由にリンクしWeb化できる「北欧のような新しい電子教科書が欲しい」と切実に感じた。        
 
(本文章は雑誌「学習情報研究」、原版は8月23日号「学情研メールマガジン」に、映像は「学情研ネットワーク研究会員」ページに掲載。「ノルウェー国」                  URL:www.gakujoken.or.jp
                                             
 
 
 
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